脛骨遠位端骨折等で外来リハビリを実施する事があります。
その際に心がけている事は、「痛みを引き起こさない事、痛みにつなげない事」です。
まず最初に状態を聞きます。本人の自覚症状としていいのか、悪いのかを判断します。
その後、足部の腫れと熱感の左右差をみます。
前回との違いを確認するために内外果、あるいはMP jointを確認します。
(廃用による筋委縮の影響を受けない部位のため)
計測して「前回とくらべて~cm改善あります。あるいは~cm腫れてます。」と具体的に伝えます。
いい場合は「順調ですね!」と伝えます。
また「歩くと熱感増えますか?」と聞き、 普段の運動量と運動での熱感のありなしを確認します。 悪い場合は「普段痛みはないですか?」「坐っている事が増えましたか?」等の
生活スタイルを確認します。
実際には足部の骨折の方は足部以外は元気なので、気にしない方が多い印象があります。
だから、できる限り悪くなってしまう原因を話をしながら、
本人に気づいてもらえるように話をします。
そして、痛みがあれば痛みどめを使う事、
腫れが残る場合は足を挙上させる「時間をつくる」ように伝えます。
またFWBを開始してから痛みがでる人もいるので、
片松葉杖は動く量とその時の痛みにあわせて、
屋内は独歩、屋外長距離なら松葉杖を使ってもいいですよと
徐々に松葉杖をはずせばいいと伝えます。
熱感がなければIcingは必要ないと考えています。
急性期は冷やします。運動量が増えて熱感がでたら冷やします。
つまり、急性期だからIcing、慢性期だから冷やさないというわけではなく、
必要に応じて冷やし、基本は温めて細胞と運動器が適切に反応できる患部に「つくっていく」事が大事だと思います。
また、全荷重がはじまって、立脚後期にて跛行を呈する場面もあります。
これはおおむね下腿三頭筋の筋力低下による影響があるので、
片足カーフレイズで筋力評価をして確認して、 自主トレーニングを励行し、
歩行場面では左右対称の歩行リズムで歩く事を指導します。
(適宜、両手を大きく振ったりしながら左右対称性をひきだしたりもします。)
足背屈のROMについては全荷重を開始したら、
立膝の状態で身体で膝をかかえながら、前傾して荷重をかけながら実施。
足底屈のROMについては内外反が許可されていれば、
四つ這いから徐々に正座exへすすめていきます。
足部の柔軟性やモビリティーはその後の運動パフォーマンスに影響を与え、
その後のスポーツなどの運動習慣がある人には
特に代償動作によるその他の部位への機能障害や痛みを 引き起こしてしまう可能性をもっています。 本当に発症後の治す時に治しておかないと後で動きが悪い、やっぱり痛くて歩けないねとなってからでは 取り戻すのにすごく時間がかかるので、
しっかりと自分で身体の「ケア」を意識してもらえるように 伝えられればと思います。
追記:
部分荷重時のROMと筋力exについて もちろん指示にあわせてですが、
NWB~1/3PWB時は、 足はタオルを使用してのassist-ROMexや
足指は徒手で入念に実施してもらいます。
筋力は緑のセラバンドを使用しての底屈exを励行。
またNWBより中殿筋の低下が起こらないように股外転exは励行します。
1/2PWBになってからは ROMはself徒手にてROMexやハーフスクワットやカーフレイズでの筋力exを実施しています。
【音速パソコン教室】
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